Saskia, Kana Kitty & Yumi Sagara, Hitoshi Satojp
Saskiaはライブアクトとして国内外クラブのレフトフィールドなテクノパーティや野外フェスティバルへ出演しながら、インスタレーションをオーガナイズし空間ディレクションと音楽制作を手掛ける。7年に渡るライティングの経験をもとに言語が音としてもたらす影響や音楽とダンスの関係性など、「Sound to _____ this magnificent cell」をコンセプトに多角的な視点で音の解釈を試みている。
舞踏家のKana Kittyは、彼岸と此岸の間に身体を置き、呼吸や心音など自然発生するリズムで踊る。師はおらず独自に踊り始め、自身の動きを探求。また、Kana Kittyによるオリジナルのパフォーマンスである、絵具と身体の表現行為「舞踏ペインティング」の可能性を探る。 美術家や音楽家とのコラボレーションも積極的に行い、国内外の芸術祭に参加。近年はヨーロッパ・アジア諸国へ遠征。女優としてもTV・映画などで活躍している。2019年には「劇場版おっさんずラブ」に出演。
Yumi Sagaraは舞踏家。舞踊家Eiko and KomaのヘルプでNYに行き様々なダンスを学ぶ。帰国後、大野一雄舞踏研究所に通い、一雄先生、慶人先生に舞踏を学ぶ。及川廣信に師事。現在、ダンスカンパニー、ホワイトダイスを主宰。アートのジャンルを越えコラボレーションをしながら、身体表現を拡張中。
照明ディレクター、佐藤円。音楽を伴う空間での光のデザインを軸にインスタレーション、ダンス、写真/映像など多様なシーンのアーティスト作品に携わっている。
Saskia, Kana Kitty & Yumi Sagara, Hitoshi Sato JP — ロウ
宇宙を思うとき、どうしてか自分の内に立ち返ることがあります。内界と外界は一見断絶された世界のように感じますが、その弊害は人間の知覚が生み出しているのではないでしょか。それでも躍起になって真実に触れようとする人間の欲は、与えられた物理空間の外へと流れていきました。
本作品では、潮の満ち引きのように境界が揺らぐ世界を音、光、身体表現を通じて作り出します。1961年に誕生した前衛芸術・暗黒舞踏は、その精神を地に接続しながら現代思想が巻き起こす錯覚と混沌を描くでしょう。私たちが忘れてしまった事実があるとすれば、それはこうして生を全うする中で私たちの視界から外れてしまった生という存在なのかもしれません。空間作品「ロウ」は、そうした存在の再確認と共に普段眠っている身体機能へのアラームとなることを望みます。