VR Exhibition
MUTEK.JP Edition 7最先端のXR技術を用いた5作品の展示会を12月8日(木)、9日(金)の2日間、渋谷ストリームホール4Fにて行います。MUTEKモントリールのXR作品をプロデュースするプロジェクトImmersive Collectionから『Entanglement - France Jobin & Markus Heckmann』、『House of Moiré - Chloe Alexandra Thompson & Matthew Edwards』、『Immortelle - Line Katcho』の3作品を紹介。振付家、ダンサー、ビジュアルアーティストとして活躍する梅田宏明が、横浜ダンスコレクション2022にて12月に上演する作品をVR化した『indivisible substance VR』、そしてフランスのプロデューサーMoléculeが北極グリーンランドへ出向き音を録音した冒険から着想を得た作品『-22.7°C - Jan Kounen, Molécule, Amaury La Burthe』を展示。ヘッドセットを使用した没入型体験をお楽しみください。
VR Exhibition
日程:12月8日(木)、9日(金)
時間:18:00−22:00
会場:渋谷ストリームホール 4F
料金:入場にはパスポートまたは12/8 Play 1、12/9 Play 2のチケットが必要
[Immersive Collection]
「音と映像」の新しい表現を創造する革新的な作品、すなわち斬新なオーディオビジュアルパフォーマンスを紹介するフェスティバルとして、私たちは常にアーティストとともにテクノロジーの新境地を切り拓くことを心がけてきました。モントリオールにおける2022年度MUTEKでは、XRコンテンツをプロデュースするという新たな一歩を踏み出し、5名のアーティストが過去のフェスティバルでのパフォーマンスをXR作品として生まれ変わらせることに挑戦。瞑想的なものから超現実的でダイナミックなものまで、様々なスタイルの3つのプロジェクトが誕生しました。
これらはドキュメンタリーでも、典型的なフィクションでも、コンサートでも、ゲームでもない、従来のジャンルにとらわれない作品群で、独自のXR活動を展開するものです。独創的なコンセプト、これまでにないナラティブ、そして高度なデジタル制作ツールから生み出された、新カテゴリーのオーディオビジュアル・VR体験に属しています。
Entanglement - France Jobin & Markus Heckmann
『Entanglement』は量子物理学の理論を凝縮した作品で、没入感のある感覚的な体験に鑑賞者を引き込む。二つの粒子同士がつながることで、空間的にどれだけ離れていてもその状態が失われないという「もつれ」という概念を解釈しており、これは量子物理学の世界では、説明のつかない不思議な現象である。
この作品は、時間の流動性、多元宇宙、コペンハーゲン解釈、デコヒーレンスという4つのそれぞれの学説に触れる。こうした複雑な概念から、科学とテクノロジー、そして可視化できないものを描き出す繊細さによって、視覚的にも音響的にも素晴らしい体験を導き出している。
France Jobinはオーディオ・インスタレーションアーティスト、作曲家、キュレーター。Markus Heckmannはビジュアルアーティスト兼、TouchDesignerの開発元であるDerivative社のテクニカル・ディレクター。
House of Moiré - Chloe Alexandra Thompson & Matthew Edwards
『House of Moiré』は、視覚的・聴覚的な好奇心をそそる空間へと鑑賞者を誘う。光学的な図形、オーディオビジュアル・プログラミング、ミニマルな空間デザインに囲まれた部屋を、鑑賞者が自ら探索しながら進んでいく。その結果、変幻自在の音と映像の構造を持つ、奇妙で好奇心をそそる「旅」が展開される。この作品は、独自のオーディオソフトウェア、深度カメラ、モーションキャプチャーそしてインタラクティブデザインの原理を駆使し、心理音響と感覚の錯覚を追求したオーディオビジュアル作品『Moiré』の様々な解釈の繰り返しをまとめたものである。
Chloe Alexandra ThompsonとMatthew Edwards(アーティスト名: aesthetic.stalemate)は、様々な分野にまたがるアーティストであり、共同制作者。Chloeはインスタレーションやパフォーマンスにおける音の身体性や技術の媒介に関心を持つコンポーザー、サウンドデザイナー。一方のMatthewはインスタレーションアート、パフォーマンス、ヴァーチャルリアリティを融合させるアーティスト。
Immortelle - Line Katcho
『Immortelle』は心理的な忍耐力の浮き沈みを表現した、雰囲気に富む造形的な作品。音と映像のかけらが想像的経験をもたらす予測不可能な作品で、内なる混乱に陥った心が外の世界をどのように捉え直すのかを探求する。鑑賞者は様々な風景や季節を旅し、感情を喚起するような空虚な造形物を通り抜け、波や山頂をかき分け、真空中の存在感に触れる。身の回りに対する直感的な認識が自身の変容を映し出し、「戦う精神」が持つ柔らかさと激しさの両面を表現している。
Line Katchoはコンポーザー兼オーディオビジュアルアーティストで、主に動力の表現としての音と映像に関心を持つ。動きや身体的な表現を通して感覚を喚起させ、鑑賞者に緊張感と解放感を与えることを目指している。
indivisible substance VR - Hiroaki Umeda
『indivisible substance VR』は、2021年よりライブストリーミング版、劇場版と形式を超えたダンス作品として制作された作品のVR版。音楽をAOKI takamasa、ヴィジュアルを松山周平率いるTHINK AND SENSEが手がけた。点群データによって表出されるミクロとマクロの世界が混在する空間の中で、デジタルデータとなった身体が躍動する。身体のデータが点群データと共に空間を躍動させ、空間そのものがダンスとなっていく。このVR版ではダンサーの身体がより空間的になっている。
梅田宏明は、振付家、ダンサー、ビジュアルアーティスト。作品はダンスだけでなくテクノロジーアートや音楽の分野などでも多く上演されている。2010年からは錯視と身体的没入感覚にフォーカスしたインスタレーション作品も制作している。
尚、この作品はコンテンポラリーダンスの祭典「ヨコハマダンスコレクション 2022」との提携により実現。梅田宏明の新作 『indivisible substance』がヨコハマダンスコレクションにてオンラインと劇場で12月7日、8日に上演され、MUTEK.JPでは同作のVR版を展示します。
-22,7C - Jan Kounen, Molécule, Amaury La Burthe
『-22.7°C』は、電子音楽プロデューサーのMoléculeが作曲のために北極の音を録りにグリーンランドに行った冒険に感化を受けたVR体験である。この体験は、極北を味わう旅へと連れて行ってくれる。磁極の自然の音を聞きながら自分の内面世界を探索すると、調和の境地に達するだろう。
Jan Kounenは監督、脚本家、プロデューサー。Moléculeは、音楽制作とオーディオビジュアル技術を融合させるフランスのミュージシャン。
Credit:
Romain de La Haye-Sérafini (Molécule), Author
Jan Kounen, Co-author and Director
Amaury La Burthe, Co-author and Sound Designer
Presented with Beyond the Frame Festival
Supported by: