Edition 3
3回目の開催となった2018年度MUTEK.JPは、11月1日〜11月4日にわたり、パフォーマンスとカンファレンスをメイン会場である日本科学未来館(東京・お台場)のほか、渋谷WWW / WWW X、代官山UNITの全4会場にて開催しました。初年度の2016年は渋谷WWWとWWW Xで開催し、2017年度は"斬新"と評判を受けた、日本科学未来館を貸しきって開催。そして今年は、前年の2つの会場に新たに代官山UNITが加わり、これまでで最大規模の開催となりました。
数字でみるEdition 3
- 全4日間にわたり、8000名以上が来場
- お台場・渋谷に位置する4会場を使用し、全8ステージを設置
- 13の夜・深夜イベントプログラム、7のデイタイムプログラムを展開
- 4つの体験型プログラム、3つのインスタレーションを実施
- 国内アーティスト45組、インターナショナルアーティスト40組が出演、全23カ国から集結
- 40のパートナーが参加
Aïsha Devi CH / Alexandre Burton & Julien Roy (artificiel) CA/QC / Atsushi Tadokoro JP / Ben Frost & MFO IS+DE / Betty Apple TW / Colleen FR / Can Büyükberber TR / Cornelius JP / Daisuke Tanabe & Nobumichi Asai JP / Daito Manabe & Satoshi Horii (Rhizomatiks Research) JP / Electric Indigo AT / ELLLL IR / Evala JP / erica JP / Still Be Here ft. Hatsune Miku JP / Fatima Al Qadiri KW / Filastine & Nova ES+ID / Hiroaki Umeda JP / Intercity-Express JP / Iori JP / Jan and Naomi JP / Joanie Lemercier & James Ginzburg BE/FR+UK / Kazuya Nagaya & Ali Demirel JP+TR / Kyoka JP / Laurel Halo US / Lemna JP / machìna & Shohei Fujimoto KR+JP / Martin Messier & YRO CA/QC+FR / Masayoshi Fujita JP / Michela Pelusio IT / Mold JP / Naoto Tsujita JP / Nicola Cruz EC / NONOTAK FR/JP / Paul Jebanasam & Tarik Barri UK+NL / Pepe Mogt MX / Rashad Becker & Ena DE+JP / REALROCKDESIGN JP / Ryo Murakami & Tatsuya Fujimoto JP / Satoshi Otsuki JP / Sapphire Slows JP / SCHARRØNE DE+ES / SIT (Cristi Cons & Vlad Caia) RO / SO JP / Sofheso JP / Sol del Rio AR / Sonja Moonear CH / Sugai Ken JP / Synichi Yamamoto + Seiichi Sega & Intercity-Express JP / Synth Sisters JP / toe on net JP / Unknown Me JP / VJ Manami JP / X-102 (Jeff Mills & Mike Banks) US / Yone Ko JP / ZVIZMO JP
A/Visions
オープニング公演となった渋谷WWWでのA/Visionsには、2016年以来のMUTEK.JP出演となったMartin MessierとYROのオーディオヴィジュアルパフォーマンスのほか、ZVIZMO、Michela Pelusioが出演。初日のラストを飾ったKazuya Nagayaは、お燐の有機的な音と電子的なサウンドを織り交ぜた、音と静寂を意識させるライヴを披露し、そこに合わさるAli Demirelの水と自然風景の映像は、時折中断が入ることで人間の干渉を意識させるものでした。
日本科学未来館のドームシアターで開催したA/Visionsプログラムでは、Can Buyukberber、Synichi Yamamoto + Seiichi Sega & Intercity-Express、Joanie Lemercier & James Ginzburg、Hiroaki Umedaの没入的な作品を上映しました。
Nocturne
アンダーグラウンドでアヴァンギャルドなシーンに脈打つ革新的なエレクトロニックのリズムに特化したライヴパフォーマンスやDJをフィーチャーするプログラム、Nocturne。日本科学未来館1Fのメインステージでは、Jeff MillsとMike BanksによるプロジェクトX-102による「Discovers the Rings of Saturn」のワールドプレミア、ヴィジュアルアーティストTarik BarriとPaul Jebanasamによる有機的映像とドラマチックな音楽がシンクロしたライブパフォーマンス、サウンドアーティストMari MatsutoyaとコンポーザーLaurel Haloらが創り上げた3D初音ミクのアートプロジェクト「Still Be Here ft.Hatsune Miku」の日本初公開、さらに小山田圭吾ことCornelius、Aïsha Devi & Emile Barretといったアーティストのパフォーマンスが繰り広げられました。
金曜夜の渋谷WWW X / WWWでは、Resident Advisorとコラボレーションしたオールナイトイベントを開催。プロデューサーLemnaとヴィジュアルアーティストNaoto Tsujitaが初コラボレーションし、そのストーリーに見る者聴く者を惹き込むような刺激的なライヴを披露しました。Rashad Becker & Enaの深化したライヴ、アブストラクトなリズムで重低音を轟かせたSofheso、Yone-koのスキルフルなDJに加え、Intercity-Express、台北のアーティストBetty Appleらが出演しました。
土曜夜は代官山UNIT / Saloonでクラブナイトを開催。SIT (Cristi Cons & Vlad Caia)、Sonja Moonear、日本からはDJのerica、Satoshi Otsuki、SO、IORIらが出演し、ダークでストイックなダンスフロアが出来上がっていたかつ、様々なシーンの顔ぶれが伺えた温かみのあるパーティーに仕上がりました。
Play
Playは、芸術・サイエンス・音楽・テクノロジーの交差に強く根ざしたオーディオ・ヴィジュアル表現を探究するアーティストにフォーカスを当てたステージで、日本未来科学館7Fのイノベーションホールで開催。Electric Indigo、Synth Sisters、Kyoka、Ryo Murakami & Tatsuya Fujimoto、machìna & Shohei Fujimotoらがプレイしました。
Ambience
新たな試みのプログラムは、日曜日の日本科学未来館7Fイノベーションホールを舞台に、内省の場、リラックスできるスペースを創り出すことを目的に、新進気鋭のアンビエントミュージシャンにフォーカスを当てました。ヴィブラフォン奏者Masayoshi Fujitaによる心を鎮めるような音色や、伝統的な日本の祭祀音楽にインスパイアされたSugai Kenの神秘的なアンビエントサウンドが展開され、続いてUnknown、フランスの作曲家Colleenがパフォーマンスしました。
ICDC 2018
2018年度は、"International Conference of Digital Creativity"と題するデジタルクリエイティビティの創造性の開発に特化した国際的なカンファレンスを、2日にわたり日本化学未来館7Fで開催しました。
1日目は、MUTEKモントリオール代表Alain Mongeau、Sonar+DキュレーターAntonia Folguera、Today’s Art代表Olof van Winden、Gamma FestivalキュレーターNatalia Fuchsが参加し、Jay Kogamiがモデレーターを務めたパネルディスカッション「人と都市を育てるデジタルアートフェスの秘密」、Qosmo代表・徳井直生による"AIと音楽、メディアアート"についての特別基調講演、Ben Frostの公開インタビュー、ロボットの計算メカニズムに関するプレゼンテーション、VRに特化したパネルを実施。
2日目は、Japan Arts CouncilのKeiko KobayashiとInstitut FrancaisのSamson Sylvainによるデジタルアート分野の成長支援に関するキーノート、ブロックチェーンとアートの共存についてのパネル、日本未来科学館による球体研究に関するキーノート、アート、科学、音楽体験に関するパネルディスカッションが行われました。
Digi Lab
ICDCはデジタル・クリエイティビティとビジネス環境の仲介的役割を目指すのに対し、Digi Labは芸術的実践と社会的言説の問題に焦点を当てた討論会。日本化学未来館7Fカンファレンスルームにて2日にわたり開催しました。
20周年を迎えるfemale:pressureの代表Electric Indigoによるキーノート、キュレーションにおけるダイバーシティをテーマにしたパネル、RAがホストした東アジアのエレクトロニックミュージックシーンの多様性に焦点を当てたパネル、Derivative社によるTouchdesigner、Mari Matsutoyaによるキーノート、Kyokaの公開インタビュー、LGBTQコミュニティ&イベントに関するパネル、さらにAbleton主催によるコーナーでは、machìna、Kiyama Akiko、Sapphire Slowsを交えて実践やトークが行われました。
Digi Salon
Digi Salonは、MUTEK.JPとUltraSuperNew Galleryが共催するのデジタルクリエイティビティの国際的エキシビション。期間中は、クリエイティブレーベルnorによる、インク滴とデジタル制御された変数を用いて複雑なアイデアと生命の多様性を表現するインスタレーション「dyebirth」を展開したほか、アーティストトーク、ライブミュージックイベント、パネルディスカッションを行いました。
Digi Jam
Ableton、Adam Audio、Elektron、Teenage Engineering、Native Instrumentsという、音楽テクノロジー業界で最も先進的で革新的なブランド5社を招待し、日本科学未来館7Fのカンファレンスルームで2日間にわたり開催したDigi Jam。最新のシンセサイザーやドラムマシン、その他インストゥルメントを参加者がテストできるようにジャムタイムが設けられたほか、各ブランドが最新機材のデモンストレーションを行いました。
Experience
KDDI × MUTEK.JP da Vinci ers "BLOCK UNIVERSE #001" - KDDI総合研究所が開発した自由視点VRと音のVRをデジタルアートに応用したXRインスタレーション。特殊メイクで再現したモナ・リザを立体的に投影し、映像と音楽が連携する先進的な現実拡張体験を提供。
エイベックス × KDDI I\I I I\I IE feat. FAMM'IN - AR体験コンテンツを日本科学未来館7Fにて展示。
Intrinsic Music "NO-ON" By KONEL 脳波による内発音楽表現 - 日本科学未来館1Fにてインタラクティブアート体験を実施。
Installation
"Lights / Sounds" toe on net - クリエイティブユニットtoe on netによる、科学未来館の池の上で光と水面と音を使った空間を演出。
"Pulsed graphics" Drill × Invisible Designs Lab. -
MUTEK.JP × Panasonic "HOMOLOGY" by Wakita Akira - アーティスト・サイエンティストの脇田玲が、パナソニック「Game Changer Catapult」が事業化に向けて開発中の住空間ディスプレイ「AMP - Ambient Media Player-」を使用したデジタルインスタレーションを実施。