Montreal Life Support & WoulgUK/QC+CA/QC
David Gardener(Montreal Life Support)は、モントリオールに拠点を置くイギリス人のアーティスト兼ミュージシャンである。幅広い分野および媒体を取り扱い、刺激的で感情を惹きつける作品の制作を目指している。工業生産された素材、動く要素、インタラクティブ性、綿密に演出された照明、そして多方向音源をしばしば取り入れている。哲学と伝統的な芸術という古典的な分野の間で点と点を線で結びながら、そこに現代技術も融合させている。Gardenerは、それぞれの作品のナラティブを通して、鑑賞後に何かが残るような、有意義な体験を人々に届けることを目指している。
Woulg(Greg Debicki)は、ダークな音のランドスケープを作り出し、そこに時折グリッチ音をちりばめている。グリッチ音は、パンチ力のあるダークなテクノに変化していくこともあれば、環境音となって泡のように膨らみ、今にも破裂しそうになることもある。永遠に続くものはなく、常に予期せぬことを予期しておくべきであるということを、私たちに思い出させてくれる。Woulgは、東京の日本科学未来館からドバイのWorld Trade Center、それにフロリダのTipper and Friendsまで、世界各地でオーディオ/ビジュアルパフォーマンスを披露してきた。
Montreal Life Support & Woulg UK/QC+CA/QC — Empty Vessels
「Empty Vessels」は、没入的なオーディオビジュアル作品である。インスタレーション作品であると同時にパフォーマンス作品でもある。このプロジェクトでは、3つのフルサイズのチェロが使用される。チェロは、3つの特注の金属製のロボットアームで固定されており、このロボットアームがチェロを支えながら自動的に演奏する。
この作品のコンセプトの中心にあるのは、芸術の創作およびパフォーマンスにおいて「人間の手による介入」の存在は重要であるか、そしてそれはなぜか、という問いを探る試みだ。この作品では、この問いをいくつかの観点にほぐして捉えている。人間による学習/AIによる学習の間にある類似性、所有権/著作権の問題、自動化と作品の上演可能性/収入、そして表現的なストーリーテリングの諸様態という観点である。
芸術的には、この作品は、チェロは機械によって生かされているという感覚を与える。生命維持装置に繋がれた生命体、または保育器の中に入れられた赤ん坊を見ているような感覚だ。ビジュアル要素やオーディオ要素も、この感覚を抽象的な手法で反映している。暖かく、もろく、肉体を思わせる人間的な色彩、トーン、および和音が、不協和的で精密、そして金属的で残虐な色彩、トーン、および和音とコントラストをなしているのだ。この両極の間をゆっくりと行き来した後、この作品は最後に極めてコントラストが高まるセクションに突入する。その後、両極はゆっくりと、同化ないし平衡の状態を迎える。
*Supported by the SAT, Canada Council for the Arts, CALQ and remic microphones.
Who
イギリス出身のミュージシャン、ビジュアルアーティストのDavid Gardener(Montreal Life Support)と、モントリオール拠点のミュージシャンWoulg(Greg Debicki)。
最新の
Montreal Life Support: Immunity (2021), Orbits (2018)
Woulg: Last Time (2018), Interpolate (2017), Ring Buffer (2015)
より多くの
ロボット工学とAIを融合させた没入型オーディオビジュアル・パフォーマンス「Empty Vessels」は、芸術の創作およびパフォーマンスにおいて”人間の手による介入”の存在は重要であるか、という問いを探る。